ねじはなぜ締まるのか?『基礎から学ぶねじの教科書』Vol.2【ねじの締まる仕組み】
ねじの原理・ねじの締まる仕組み・ねじの軸力を解説。『基礎から学ぶねじの教科書』シリーズ第2弾【ねじの締まる仕組み】
1.ねじの原理
ねじの原理:斜面とつる巻き線
ねじは「斜面の応用」であると言われています。
斜面を使うと小さな力で物体を楽に持ち上げることができます。
この仕組みを利用して、ねじは「小さな力」で「大きな締付力」を得ています。

下の図は、上の図の直角三角形を円筒に巻いたつる巻き線です。
つる巻き線は、ねじの山と谷を示しています。
ねじの螺旋部分を開いて直角三角形にすると、上の図の斜面になります。
ねじが「小さな力」を使って「大きな締付力」を得ることができるのは、この斜面の原理によるものです。

リード角大:ねじを回したときの進み方は早くなるが、ゆるみやすくなる。回すのに大きな力が必要。
リード角小:ねじを回したときの速度は遅くなるが、ゆるみにくくなる。小さな回転力で大きな締付力を出せる。
2.ねじの締まる仕組み
ねじは「伸びが目に見えないばね」
金属材料に引張荷重が働くと、ある範囲まで材料が伸び、取り除くと元に戻ります。
これを弾性といい、弾性が成り立つ範囲を弾性限界といいます。
引っ張ったばねが元に戻る性質は、わかりやすい弾性の例です。
ねじを締付けると、ボルトのおねじがほんのわずかに伸び、締め付けられる部材のめねじが弾性的に縮むことになります。
つまり、ねじは「伸びが目に見えないばね」であるといえるのです。
このことは、ねじの締まる仕組みにも関係しています。

ねじは弾性限界を超える力を加えると元に戻らず、伸びきった状態になります。
これを塑性といいます。
塑性変形したねじは、元の長さに戻らず締付力(軸力)を失い、破断することもあります。
高い締め付けトルクをかけた結果、突然ねじが破断するなどのトラブルは典型的な事例です。
ねじはなぜ締まるのか
ボルトを締めると、ボルト締付け部は軸方向に引っ張られ、わずかに伸びます(下図①)。
このとき伸びたボルトには、元に戻ろうとする力(軸力)が発生します(下図②)。
またナットも締め付けで縮みます。
締付けた後は、おねじとめねじが弾性的に回復しようとするため、被締結物も締付けられて圧縮されます。
ねじ山同士が接触すると、おねじとめねじの締付け座面、互いのねじ面が接触することで、
摩擦力が大きくなります。
ねじを締め付けた後も緩まないのは、ねじの斜面方向の長さが大きいことで摩擦力が増大したうえ、
斜面の角度もとても緩やかなため、ボルトを押し戻す力がねじを緩める回転を作り出すことができないからです。
そのためボルトは容易に抜けなくなります。これがねじ締結の原理です。

詳しい内容は、下記ダウンロードから 技術資料『基礎から学ぶねじの教科書』Vol.2【ねじの締まる仕組み】をご覧ください。
3.締付トルクと軸力の関係
4.軸力の測定方法
なども図付きで詳しく解説しています。
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